HOME > 睡眠障害

日本では睡眠不足や不眠症に関して軽視している傾向にあります。「睡眠障害」は単なるストレスの指標では無く、病気の大きな原因であることを理解する必要があるのです。

「睡眠障害」の種類は80種類以上ありますが、大きくは下記の4つに分類されます。
 ・不眠
 ・過眠
 ・睡眠中における身体の異常
 ・体内時計と現実社会とのズレ

●睡眠不足や睡眠の乱れによる身体の影響
まず睡眠の乱れによって、免疫機能は低下することが分かっています。それは、免疫細胞の活動が促進されるのが、睡眠時だからです。例えば、B細胞は睡眠時に抗体を作るとされています。よって、免疫力を強化するためには、質の高い睡眠が大切なのです。ここでいう質とは、長さではなく、深い眠りであるかどうかということです。

●睡眠不足で脳内ホルモンの活性低下
「夜更かし」は、睡眠時間の短縮に直結し、子供は夜更かしをすると成績が悪くなります。しっかりした睡眠をとることが大切です。感情面では、いらいら感、ちょっとしたことが思い出せない、考えがまとまらないなど、慢性の時差ぼけ症状が起こります。疲労感、食欲・意欲の低下、作業能率の低下、昼間の活動量の低下などが起こります。セロトニンなど脳内ホルモンの活性低下のためです。
最近の交通事故では死亡に至る事故は減ってきましたが、その分居眠り運転での交通事故が増えています。つまり、夜の睡眠がよく取れていない、もしくは熟睡できていない、脳が休んでいないなど夜の睡眠の質が原因で昼間「ぼーっ」としている人が多いのです。
無気力になったり、ニートになってしまうのもこれが原因です。昼間に活動しなくなるのです 。

●「太陽のリズム」が生活リズム
睡眠の本来の役割とは、脳の疲れを取ることなのです。「太陽のリズム」によってホルモンの分泌量や免疫力、気分の調子まで変化します。これは太陽が昇って活動が始まり、太陽が沈んで休息するという自然の動きに適した変化です。睡眠と覚醒は、私たちの生活リズムのメトロノームのようなものです。日本では眠れない人が非常に多いのです。そして6割がストレスを感じています。不眠とストレスの関連性は高いのです。アフリカなど人達には不眠症の人はいないそうです。

●睡眠は心身ともに健康な状態を保つためのシステム
脳が活動しているとき、脳細胞はさまざまなホルモンを分泌します。そして働きすぎると、ホルモンの使いカスのような物質が溜まっていきます。この疲労物質(睡眠物質種以上存在)が脳の働き過ぎにフィードバックを掛けて休息させるのです。そのため、頭を使いすぎると眠くなります。人間が活動するためにはエネルギーが必要です。睡眠は無駄な動きを抑えて新陳代謝を減らしエネルギーを節約する働きがあります。睡眠は、人間が心身ともに健康な状態を保つために欠かせないものなのです 。

●睡眠障害が及ぼす悪影響

★脳機能の低下 ・集中力低下、注意維持障害(事故の発生率アップ)、記憶・学習障害、感情抑制機能低下、認知・判断機能の低下、創造性・論理的思考力の低下、意欲の低下、自己評価の低下、精神性ストレスの蓄積
★循環器機能低下 ・血圧上昇、虚血性心疾患リスク増大
★免疫機能低下 ・ガン発症リスク増大、感染リスク増大、アレルギー性疾患の発症リスク増大
★脂質代謝機能異常 ・肥満
★アルツハイマー型認知症発症リスク増大
★脳血管認知症発症リスク増大(不眠患者・閉塞型無呼吸患者)

●うつ病と睡眠障害
うつ状態と睡眠時間とは深く関連しています。睡眠時間が「7時間以上8時間未満」の人はうつの割合が最も低いのです。そして「7時間より短く8時間以上」の人はうつの割合が高いのです。「早寝早起き」リズムの有る眠りが重要うつ病と睡眠時間は因果関係が強いのです。やはりしっかり寝ている人はうつ病になりにくいのです。うつ病を治療したければ、まずは睡眠障害を治すことが大切です。うつ病の薬と睡眠薬は併用されています。それが、更なるうつ病を悪化させる原因となります。